日本画『土蜘蛛退治』
サターン聖と対峙したシーンにソックリな日本画を発見しました。
それがコチラ
江戸時代末期の浮世絵師・歌川国芳作
「源頼光 四天王 土蜘蛛退治之図」
中央で左手をついて倒れている人や、右端の車輪など
構図がかなり近い気がしませんか?
この図は妖怪退治を得意とする源頼光が、4人の家臣と共に妖怪土蜘蛛と戦う所を描いたモノです。
中央で倒れているのが源頼光
漢字を音読みして「ライコウ」とも呼ばれます。
四天王と呼ばれる家臣は上の図の右から
この構図をエッグヘッドの状況に当てはめると
- 妖怪・土蜘蛛はサターン聖と召喚された五老星
- 源頼光はライコウ→ご来光→太陽→ニカ
- 大蛇退治で有名な大男→恐竜を狩り主食にしていた巨人族
- 鬼の片腕を斬った家臣筆頭→鬼斬り・ニカの右腕ゾロ
- 金太郎→戦桃丸
- 弓の名手→ウソップ
にピッタリ当てはまります。
というのも、ワノ国に入る前から北斎とか写楽とか、日本画のオマージュだらけでしたよね
錦えもん
錦えもんのキャラは東洲斎写楽の描く
「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」が元ネタです。
ゾウでこのポーズまで披露しちゃってます。
北斎
ワノ国に入る前の大波は葛飾北斎の作品
『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』そのまんまですね
北斎の春画のタコ
また、ワノ国への入国を手引きしてくれたタコの三助
このタコのデザインも北斎です。
しかも18禁の春画から堂々とオマージュするのがドスケベ尾田先生らしい。
牛若丸と武蔵坊弁慶
橋の上でのゾロと牛鬼丸の戦いは、歌舞伎や能など様々な日本の伝統芸能の題材にもされている牛若丸です。
ちなみに牛若丸は、カラス天狗の元で修行したので、身軽で強くなったとされています。
閻魔を使いこなすために竹やぶで修行するゾロと、それを見守るカラス天狗
このシーンは月岡芳年 作「源牛若丸僧正坊二武術覚図」という日本画が元ネタ↓
釜茹での刑
おでんの最期、煮えたぎった油の中に入らせる釜茹での刑
このシーンは石川五右衛門が息子ごと釜茹でにされた有名な話がモデルです
※作者が見つかりませんでした。知ってる人はXでDMください↓
がしゃどくろ
ブルックのことをがしゃどくろと呼ばせていましたね。
この妖怪図の元ネタも、土蜘蛛退治と同じ歌川国芳です。
「相馬の古内裏に将門の姫君瀧夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」
ここに登場する男性は頼光四天王の1人、卜部季武
左の女性が妖怪を呼び出した悪のボス・滝夜叉姫です。
日本最強の怨霊である平将門の娘とされています。
平将門は呪術廻戦の宿儺のモデルだとも言われています
輪入道
ブラックマリアの武器・振袖輪入道は、パグのスマイルの能力者が、車輪の中で一生懸命走って火を起こしていました。
尾田先生なりに妖怪の仕組みを想像して再現したのでしょう
確かにおじさんの生首と燃える車輪って、発想自体が訳わからないですね。
牛鬼・土蜘蛛
コチラ↑の図は
佐脇嵩之『百怪図巻』の「うし鬼」ギュウキ読みが一般的。
サターン聖の能力は牛鬼でほぼ確定だろうとなっています。
牛鬼についてウィキペディアで調べると興味深い解説があって、西日本にのみ伝わる妖怪なんです。
さらに別名・土蜘蛛というのが、古代の日本の王に逆らった集団に対する呼び名です。
ここからは都市伝説系になるのですが、尾田先生は九州出身です。
九州にはもともと邪馬台国があったとされています。
また、九州の先住民の隼人は、北欧のケルトの末裔だという説もあります。
そして日本人の祖先はモーゼと共にエジプトを脱出したユダヤ人の一部だという説があります。
モーゼが海を割って逃げたんじゃなくて、海で二手に分かれて逃げた
イスラエルに帰らなかったグループは、ケルトの助けを借りて船でジャワ島やフィリピンなどを経由して日本に辿り着いたという説
九州の学者は上記の説を熱心に推しています。
尾田先生も同じ考えなんじゃないかと私は思いました。
その仮説を世界に説明するためにワンピースを描いているんじゃないかな?
世界最高権力者を妖怪の能力者にして、さらに西日本に深い関わりを持たせたということは
日本の歴史の空白の100年を埋めるために風土記まで徹底的に調べて、歴史の真相に辿り着いたんじゃないかと思うんです…
といったところで今回はお開き。
また来週。
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