五老星と五芒星
- 木星→ジュピター→「農務武神」シェパード・十・ピーター聖
- 火星→マーズ→「環境武神」マーカス・マーズ聖
- 土星→サターン→「科学防衛武神」ジェイガルシア・サターン聖
- 金星→ヴィーナス→「財務武神」イーザンバロン・V・ナス寿郎
- 水星→マーキュリー→「法務武神」トップマン・ウォーキュリー聖
太陽系の惑星が含まれていた五老星の名前ですが
火・水・木・金・土が持つ意味は惑星だけじゃありません
道教における五大元素
陰陽道では火・水・木・金・土を五元素と言い、互いに生みあい(相生)消しあう(相克)ことで万物が生じるとされています。
相生(そうじょう)
順送りに相手を生み出して行く、陽の関係。・木生火(もくしょうか)木は燃えて火を生む。
Wikipediaより引用
・火生土(かしょうど)物が燃えればあとには灰が残り、灰は土に還る。
・土生金(どしょうきん/どしょうごん)鉱物・金属の多くは土の中にあり、土を掘ることによってその金属を得ることができる。
・金生水(きんしょうすい/ごんしょうすい)金属の表面には凝結により水が生じる。
・水生木(すいしょうもく)木は水によって養われ、水がなければ木は枯れてしまう。
相剋(そうこく)
相手を打ち滅ぼして行く、陰の関係。・木剋土(もっこくど)木は根を地中に張って土を締め付け、養分を吸い取って土地を痩せさせる。
Wikipediaより引用
・火剋金(かこくきん/かこくごん)火は金属を熔かす。
・土剋水(どこくすい)土は水を濁す。また、土は水を吸い取り、常にあふれようとする水を堤防や土塁等でせき止める。
・金剋木(きんこくもく/ごんこくもく)金属製の斧や鋸は木を傷つけ、切り倒す。
・水剋火(すいこくか)水は火を消し止める。
この陰陽五行によって万物が生まれるという考えが、第1069話のタイトル
”万物は望まれて、この世に生まれる”に通じます。
※ちなみにこの回↑で初めて見せたルッチの覚醒フォルムが陰陽道の『豹尾神』かなぁ?と書いてました。
また、別の記事でも取り上げたルフィとサンジの表裏一体が陰と陽の考え方に通じます。
サターン聖と対峙している2人です。
さらに、サターン聖がワープする時の魔法陣が五行の相剋で作られる五芒星になっています。
なんだかワンピースに関係がありそうな陰陽道とはなんなのでしょうか?
江戸時代のカレンダーと時計
呪いの藁人形に五寸釘を打ち込む時間は丑三つ時と決まっています。
丑三つは方角に当てはめると、丑寅(東北)、つまり鬼門なので幽霊が出やすい陰の気が一番高まる時間とされています。
また、鬼門・裏鬼門といえばSBSで取り上げられた大将の名前の秘密も関係しています↓
それに、カイドウとの決戦の日の時間も
夕刻「酉二つ」
海外の時計なら夕刻5時半から6時
と、ワノ国独自の時間で説明されました。
コレは実際に江戸時代で日常的に使われていた時間の単位です。
ワノ国は江戸時代
おでんは織田信長、オロチは豊臣秀吉、そして霜月康イエは徳川家康がそれぞれモデルです。
特に康イエがカッコいいキャラとして描かれていたので、尾田先生は徳川家康が好きだと考えられます。
理由は、戦国の世を終わらせてくれたおかげで庶民は娯楽を楽しむ心の余裕ができたから?
そのおかげで尾田先生の大好きな落語が生まれたからとかかな?
落語と言えば、古典落語の『時そば』という演目が一番有名ですが、この話も江戸時代の時間の概念を知らないと面白さが理解できません。
江戸の時空を管理する陰陽寮
江戸時代のカレンダーは陰暦です。
暦や時間は、幕府の公式な中務省に属する機関のひとつ陰陽寮で管理されていました。
安倍晴明で有名な陰陽師はその中の役職の一つ。
つまり安倍晴明は政府の官僚の1人ということです
陰陽寮の役職は上から
- 陰陽頭(おんようのかみ)
- 陰陽助(おんようのすけ)
- 陰陽允(おんようのじょう)
- 陰陽大属(おんようのたいぞく)
- 陰陽少属(おんようのしょうぞく)
- 陰陽師
- 陰陽博士
- 天文博士
- 暦博士
- 漏刻博士
- 以下、学生
と、お役所らしく細かく階級が分けられていて、陰陽師はまぁまぁ下の方です。
役職の名前から分かるように、時間 <暦 <天文 <陰陽の順に位が上がって行きます。
つまり、時間と天文学を基礎知識として学んだ後に、方角の吉凶とタイミングによる陰と陽の氣の勉強に取り掛かれるというほど高度な学問ということです。
特に、方角の吉凶を占う仕事は重要で、どんなに偉い人からの命令でも鬼門の方角には絶対に行かないという人も普通に居たと言われています。
江戸時代の終わりと同時に廃止された陰陽道
江戸時代までは超重要な仕事だった陰陽寮ですが、明治時代に入るとすぐに廃止されます。
「西洋諸国に支配されないように、海外の文化をどんどん取り入れる。
そのためには陰暦を西暦に改暦して、海外のカレンダーに合わせて貿易をしやすくする
だから陰暦中心に管理していた陰陽寮ももう要らない」
と、国の方針が変わったことが原因とされています。
ちなみに江戸時代を終わらせた中心人物が、五老星のマーカス・マーズ聖のモデルっぽいと思っています。
奇数月の五節句
江戸時代までは庶民の風習だった五節句も、改暦年である1873年(明治6年)1月4日に太政官が出した第1号布告「五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム」によって廃止されました。
明治時代以降は桃の節句や菊の節句、節句を略して七夕などとしていますが元々の名称は
と言い、その日にはするべき事や食べるべき物まで決まっているほど重要な日でした。
※ちなみにゾロの誕生日である11月11日も奇数のゾロ目ですが、五節句には含まれていません。
節句の由来は陰陽道の起源である中国の神話ですが、その話はまた別の記事で。
でも、なぜ陰陽道はこれほどまでに痕跡を消されているのか?
そして、なぜ尾田先生は執拗に陰陽道を重視しているのでしょうか?
といったところで今回はお開き。
また来週。
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