岡本太郎
『太陽の塔』
サニー号のマスト部分のモデルは日本の芸術家”岡本太郎”の『太陽の塔』だと考えられます。
高さ70メートルの塔の内部には「生命の樹」と呼ばれる”生物の進化”をテーマした展示物が螺旋階段に沿って置かれており、上に登るほど進化していく。
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会の象徴としても有名な作品です。
一見すると”ペンギン”のように見えるこの塔の正体は”カラス”
背面にある黒い顔は”過去”を表し
正面腹部の顔は”現在”を表し
上部の黄金の顔は”未来”を表す
ちなみに内部の「生命の樹」の地下には”地底の太陽”と呼ばれる”太古”を表す「第4の顔」があったが、万博終了時に解体撤去され、その後処分されてしまったそうです。
”古代”を表す顔が失われたところがワンピースのストーリーと重なりますね。
※ちなみに現在は復刻版が作られて公開されているようです。
黄金に輝く未来の顔は、夜になると目が光るというギミック付き。
尾田先生が好きそうな仕掛けです。
『若い太陽の塔』
サニー号のピークヘッド部分のモデルも”岡本太郎”の作品です。
こちらは『若い太陽の塔』と言い、愛知県犬山市にある日本モンキーパークにて展示されている塔です。
作られたのは大阪万博の前。
つまり『太陽の塔』のプロトタイプにあたります。
日本モンキーパークの親会社”名古屋鉄道”からの依頼で作られたので特にメッセージ性はなさそうです。
一応、”モンキー”と”太陽”繋がりですね。
『明日の神話』
一方、こちらは強烈なメッセージが込められています。
『太陽の塔』と対をなす『明日の神話』も”岡本太郎”の作品で、現在は東京の渋谷駅で見ることができます。
『太陽の塔』では”生命の神秘と未来への希望”
『明日の神話』では”核兵器の悲惨さと怒り”を表現し、誇りある人間の未来を奪う”戦争への猛反対”が訴えられています。
『明日の神話』は、旧ソ連とアメリカが核兵器開発で競っていた冷戦時代。
アメリカがビキニ環礁で行った核実験により、日本の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23人が多量の放射性物質(死の灰)を浴び、船長が半年後に死亡した出来事を受けて作られました。
太郎は作品の意図について
出典:Wikipedia
「原爆が爆発し世界は混乱するが、人間はその災いと運命を乗り越え、未来を切り開いて行く―といった気持ちを表現した」
ワンピースも”反戦”を訴えるマンガだと思っています。
戦争や暴力はマンガの中だけにしようぜ!と。
尾田先生が岡本太郎作品をオマージュしたのは、”反戦”を訴える”世界的な表現者”としての立場が同じだからだと考えられますね。
『太陽の塔』の目が光るのは「戦争をしねェ為に 他国全人類をにらみ殺す」という意味もあるでしょうか。
ちなみに原爆実験が行われていたビキニ環礁は、現在”マーシャル諸島共和国”に属しています。
”世界を滅ぼす力”と”マーシャル”と言えば…
パブロ・ピカソ
本名は
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
キリスト教徒として洗礼を受けた時に与えられた名前は
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
ぜひ、名前だけでも覚えて帰ってくださいね。
『鏡の前の少女(Girl before a Mirror)』
ナミのモデルはスペイン生まれ、フランスで活動していた画家”パブロ・ピカソ”の『鏡の前の少女(Girl before a Mirror)』だと考えられます。
キュビズムという”いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収める技法”で描かれた絵画で、モデルの女性は当時のピカソの愛人”マリー・テレーズ・ウォルター”です。
『ゲルニカ』
全体的にキュビズム風に描かれた構図から、ピカソの代表作『ゲルニカ』のオマージュではないかと考えました。
これは1937年に起きた「史上初の都市無差別爆撃」ゲルニカ爆撃を受けて作られた作品。
現在では”20世紀を象徴する絵画”、”反戦や抵抗のシンボル”とされています。
ここでも”反戦”がテーマです。
エドヴァルド・ムンク
『叫び』
ブルックのモデルはノルウェー生まれの画家”エドヴァルド・ムンク”の『叫び』ですね。
作品を見て感じる印象の通り、テーマは「不安」です。
一番有名なのはこの油絵の『叫び』ですが、同じタイトルで版画やパステル画など5作品があります。
サルバドール・ダリ
ダリの求めた”シュルレアリスム”という考え方が個人的に好きです。
多くの人は瞬時に物事の”善悪”を判断し、自分の行動にストップを掛けてしまいます。
しかしそれは時代や地域ごとに異なる”教育”によって刷り込まれた”洗脳”であり、本来の人間の感覚ではありません。
そこでシュルレアリスムの作家たちは「理性・美意識・道徳的な先入観を排除して、人間の無意識の探究・表出による”人間の全体性の回復”」を目指しました。
芸術家にイカれた人が多いのは、あえて理性・道徳・善悪のストッパーを外しているからです。
海賊マンガが好きなアナタなら、理解できますよね?
『記憶の固執(La persistencia de la memoria)』
ナミのこのシーンはスペイン生まれの画家”サルバドール・ダリ”の『記憶の固執』がモデルと考えられます。
別名”ソフトウォッチ”や”メルトウォッチ”とも呼ばれ、グニャグニャの時計が特徴的な作品です。
時間と共に曖昧になる人間の記憶を、グニャグニャの時計で表現しています。
なんとも分かりやすい。
これが”天才”ってヤツですね。
『象(The Elephants)』
”象主”は学名を「ナイタミエ・ノリダ象」と言います。
逆から読むと「ダリの絵みたいな」
そのモデルとなった作品がコチラ『象(The Elephants)』
ダリがこの作品を描くまで、象はそのイメージ通り「支配」「強さ」「重さ」「権力」などの象徴とされていました。
しかし、ダリの描く象はカトンボのようにヒョロヒョロで長い脚、重そうなオベリスクを背負っているかと思ったらちょっと浮いてる、脚もほとんど地面に付いてなくて、むしろ浮いているように見える。
象なのに「力強さ」や「重さ」、「圧力」を全く感じません。
“宇宙象”と名付けられたこの象は「地上における権力(強さ)」と「宇宙における無重力(無力)」の対比を表したかったと言われています。
「自称神だろうと何だろうと、一歩宇宙に出ればそこらの宇宙海賊にヤリで突かれてしまうぞ」ということです。
ジャック=ルイ・ダヴィッド
『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト(Bonaparte franchissant le Grand-Saint-Bernard)』
1つの絵画をモデルにしたシーンがドレスローザ編で2度も描かれています。
1度目はコリーダコロシアムでの”キャベンディッシュ”
2度目が第748話”おれの恩返し”扉絵での”ヘラクレスン”
リクエスト内容は「ヘラクレスンが白馬に乗って調子づいてるところ」
どちらもフランスの画家”ジャック=ルイ・ダヴィッド”の『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』がモデルと考えられます。
ちなみに馬の名前は”マレンゴ”。
由来はナポレオン率いるフランス軍が勝利した”マレンゴの戦い”の地名から。
どうして”ドレスローザ編”の間に2度もナポレオンをモデルした絵が描かれたのか。
その理由は”ドフラミンゴ”のモデルがナポレオンだからです。
詳しくはコチラをどうぞ。
東洲斎写楽
『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』
錦えもんのこのシーンは日本の浮世絵師”東洲斎写楽”の『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』がモデルと考えられます。
葛飾北斎
『冨嶽三十六景』「神奈川沖浪裏」
ワノ国周辺の海は日本の浮世絵師”葛飾北斎”の名所浮世絵揃物『富嶽三十六景』全46図中の1図。
「神奈川沖浪裏」がモデルと考えられます。
尾田先生が模写したのか、背景スタッフが模写したのか気になりますね。
ジョーラのダイイングアート
最後にジョーラの”命の芸術”の考察を手伝って貰います。
敵をアートの一部に組み込んで、命が尽きた時に作品が完成するヤツで、パターンとしてはMr.3の”キャンドル・サービス”と一緒ですね。
あっ、ここでもまた”結婚”繋がりだ。
話を戻します。
まずジョーラの言う「ドレスローザに起きた悲劇」とは、ドフラミンゴによる”リク王の暴走”のことではありません!
ドフラミンゴの一味であるジョーラにとって、”悲劇”ではなく”悲願”だったからです。
では、それよりも前の出来事を表しているとしたら
『”800年前”にドンキホーテ王家が去ってリク王家になったこと』でしょうね。
色の違う両腕で隠された太陽、うずくまる王、その背中には片方だけの翼…
太陽と目が描かれている半円は”正義の門”の様にも見えますよね。
うーん、まだ情報が少なくてわからないですね。
『キャラのモデル』シリーズ
続編はコチラ↓