この記事では
- あの人のモデルはリンカーン大統領
- あの人のモデルはマルクス
- あの人のモデルは板垣退助
- あの人のモデルはガンディー
- あの人のモデルはゴルバチョフ
- 五老星はオペオペの能力で全員不老手術済み
について書いています。
五老星
海賊が主人公のマンガで、対立する組織のトップ。
と言うことは、一般市民にとっての味方・英雄であるはずですね。
よく見たら5人とも歴史上の偉人とソックリです。
じゃあ、歴史オタクの尾田先生が”どういう理由”でこの5人をモデルにしたのかを考えながら解説していきましょう。
まずは一番”左”の人物から。
五老星1
この記事内にあるこの人物のセリフから”世界の均衡”や”パワーバランス”を大切に考えている事が分かります。
この人物はアメリカの大統領がモデルです。
エイブラハム・リンカーン
『エイブラハム・リンカーン』
1809年2月12日〜1865年4月15日(56歳没)
出身地:アメリカ合衆国
異名:奴隷解放の父 「史上最高の大統領」
肩書き:政治家、弁護士
主な功績:奴隷解放宣言
アメリカ南部は農業が中心で、綿花︎を栽培してヨーロッパに輸出して利益を上げていた。
農業には大勢の人手が必要なため、黒人奴隷は絶対に必要な労働力であり、ヨーロッパは大事な取引相手だった(赤)
一方のアメリカ北部は、先の米英戦争でイギリスからの工業製品の輸入がストップして苦労したため、輸入に頼らなくて良いように急速な工場化が進み、必要なものは自国で作れるようになった。
その為、黒人奴隷も必要はなく、ヨーロッパからの輸入も最低限に制限したかった。(青)
この奴隷州派(南)と自由州派(北)の対立から『南北戦争』に発展。
黒人奴隷たちは南側の兵士として戦わされた。
黒人からすれば「北が勝てば自分達は奴隷の身分から解放されるのに、南側の兵士として戦わされる」という、全くやる気の起きない戦いだった。
そんな中、リンカーン大統領は『奴隷解放宣言』を発布。
簡単に言えば、「反乱を起こした人は有罪。罰金を課して、奴隷も没収します。ちなみに、ここで没収された奴隷は、アメリカ合衆国の捕虜なので永久に奴隷に戻ることはありません。自由です。」という法律を通したのです。
この瞬間に南側の兵士だった黒人奴隷は自由になり、南側の兵力は激減。
そして終戦に向かいました。
詳しく理解したい方はアメリカの歴史をどうぞ。
リンカーン Amazon Prime Video
五老星2
いつも一番最初に話し出す、中太りで杖を突き、左目︎に傷がありドレッドロックス(ドレッドヘアー)に帽子を被った男。
この人物はプロイセンの経済学者・哲学者がモデルです。
カール・マルクス
『カール・マルクス』
1818年5月5日〜1883年3月14日(64歳没)
出身地:プロイセン王国(ドイツ)
異名:共産主義の父
肩書き:哲学者、思想家、経済学者、革命家
主な功績:マルクス経済学
”理想の社会の作り方”というのはすでにマルクスが答えを出しています。
その方法とは『高度に発展した資本主義社会から共産主義社会に切り替えればいい』と言うもの。
まず、仕事が上手な人が機械やコンピューターを駆使して莫大な利益を生みます。
これが『高度に発展した資本主義社会』です。
しかし、このままだと仕事が苦手な人が生きていけません。
そこで、”仕事が得意な人”は”仕事が苦手な人”に利益を分けてあげます。
「君たちの分はロボットやコンピューターが稼いでくれたから分け前をあげる。お礼ならCPUに言っておいて」と。
これが『共産主義社会に切り替える』です。
つまり
”大した仕事はしなくていい。週休5日で手取り30万。
ビジネスセンスは抜群だけど”欲”の無い社長が、会社の儲けを全部社員に分けてくれる会社だらけになれば良い世の中になるよね”
と言うことです。
この考えは世界中の指導者に支持されているハズですが、”欲”が邪魔をして未だに実現できていません。
超正統派 ユダヤ教
この五老星のモデルについては、他の考察者が別の人物だとしている記事を見かけます。
ここで、カール・マルクスだとする根拠をもう一つ。
マルクスはユダヤ人でした。
超正統派ユダヤ教徒の男性は、黒い帽子に黒いスーツ。髭を長く伸ばし、特にモミアゲは切らずに編み込むというルールがあります。
ドレッドヘアーの五老星の特徴と一致しますね。
五老星3
ワノ国の侍のように身長が高く、左右に分かれた長いヒゲのこの人。
この人物は、江戸時代を終わらせて日本を変えたあの人がモデルです。
板垣退助
『板垣退助』
1837年5月21日〜1919年7月16日(82歳没)
出身地:日本
肩書き:武士(土佐藩士)、軍人、政治家
異名:憲政の父・国会を創った男
権力が暴走し、腐り切った徳川政権を倒すために起こした「戊辰戦争」で活躍。大政奉還を果たす。
その功績を讃えて貴族の地位を与えられるも「特権階級になるために明治維新を行ったのではない。四民(士・農・工・商の身分)平等の精神に反する」として爵位を辞退。
その後も、貴族だけで政治を行うことは徳川幕府の二の舞だと反対し、国会の開設を要求。
市民が政治に参加する現在の選挙制度の土台を作りました。
徹底して貴族と平民という階級社会に反対した偉人です。
五老星4
白い着物に下駄。眼鏡の奥には鋭い眼光。
いつも持っている長い日本刀は”初代鬼徹”ではないかとの噂もあるこの人物は、インドの聖人がモデルです。
マハトマ・ガンディー
『マハトマ・ガンディー』
1869年10月2日〜1948年1月30日(78歳没)
出身地:イギリス領インド(インド)
肩書き:弁護士、宗教家、政治指導者
異名:インド独立の父
愛称:バープー(父親)
主な運動:イギリスによる植民地支配からのインド独立運動、黒人差別に反対する人権運動
『非暴力』を信条に、インドをイギリスの植民地支配から解放した政治指導者。
また白人以外を差別する世界に反対する運動を起こし、世界中に人種差別を問題提起して現在の平等な社会の土台を作った偉人です。
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五老星5
五老星が描かれるシーンで”中心”に描かれることが多い、頭にシミがあるヒゲの人物。
この特徴的な頭のシミは未だ存命(2022年1月時点)のロシアのあの人がモデル。
ミハイル・ゴルバチョフ
『ミハイル・ゴルバチョフ』
1931年3月2日〜現存 (年齢 90歳) 2022年1月現在
出身地:ソビエト連邦(ロシア)
愛称:ゴルビー
肩書き:政治家
主な運動:冷戦の終結
第二次世界大戦後、世界は”西と東”に分断されました。冷戦です。
西側諸国はアメリカを盟主(同盟国のリーダー)とする資本主義・自由主義陣営。(青)
東側諸国はソビエト連邦を盟主とする共産主義・社会主義陣営。(赤)
南アメリカ・アフリカ・中東・インド・インドネシアなどは中立国。(緑)
「今後の世界の覇権を握るのはどちらか」で争っていました。
約45年続いた冷戦を終わらせたのがゴルバチョフです。
1985年にソ連共産党書記長に就任したゴルバチョフは、それまでの「ソ連が世界一、絶対勝つ。ソ連最強、全てを手に入れろ」の方針を一転。
ソビエト連邦の予算から軍事費を大幅削減して、国内の経済復活の為に割り振り、さらに西側との関係改善交渉に乗り出します。
当然、予算が減ったソ連軍隊は弱体化、力の均衡が崩れて”西側の勝利”で終戦します。
実はゴルバチョフが就任した時点でソ連の経済は限界でした。
「これ以上負けが見えている争いに金を使っても無駄。少しでもダメージの小さいうちに降参して、さっさと国内を立て直さなければ」と決断。
この判断は世界中で評価されノーベル平和賞が贈られています。
まとめ
- リンカーンは奴隷制・人種差別への反対
- マルクスは貧困問題・格差社会への反対
- 板垣退助は貴族・権力への反対
- ガンディーは武力による支配への反対
- ゴルバチョフは支配のための戦争への反対
五老星のモデルは全て素晴らしい考えを持った偉人たちでした。
全員の理想が叶えば最高の世界になりそうですね。
でも、トップの5人だけが素晴らしくても、他の天竜人はクズばかり。
この違いはどうしてなんでしょうか。
”不老不死”の五老星
『不老手術』
オペオペの能力で、人に永遠の命を与えられることが判明しました。
そして、”五老星”はすでにこの手術を受けて永遠の命を持っていると考えられます。
いくつか根拠を説明します。
20年前から五老星
ロビンの幼少期について描かれた中で、クローバー博士と五老星が話すシーンがありました。
その時点ですでに「五”老”星」と呼ばれています。
ほとんど影で隠れ、表情などはよく見えませんが、明らかに白髪で髭も白い老人です。
しかし、20年経った現在でも1人も寿命を迎えた者はおらず、五老星として5人で世界のトップに君臨しています。
これが「不老」の根拠の1つです。
オペオペの実に50億
”悪魔の実”は、どんな実でも売れば1億はくだらないと言われる幻の存在。
それでも50億は破格過ぎるので、その理由を考えてみました。
- オペオペの実の真の価値を知っている
- 能力の価値を他人に知られては困る
- 秘密を守る為に50億は安いと考え、実際にその額を出せる
- 秘密を隠したまま海賊との取引に海軍を使う権限がある
こう考えると、条件を満たせるのは五老星くらいに絞られますね。
そして、そこまで必死になるということは「不老手術を受けたという秘密を隠したいから」と考えるのが自然で、”五老星は不老だから不死”となります。
ただしロマサガの古代人と同じで「自然死はしないけど、殺されたら死ぬ」というリスクはあるはずです。
だからいつも同じ部屋で5人揃っていて、決してマリージョアから出ることはないでしょう。
となると、直接面会を許された海賊のシャンクスは本当に何者なんでしょうね。。。
結論
不老不死になった五老星と他の天竜人との違いは”欲”の有無です。
あらゆる欲を満たし終えてもまだ寿命が尽きない。全てに飽きてしまい、他に満たしたい欲は残っていない。
そんな状態になった五老星はもはや”神”です。
神がやることと言えば、世界を平和に保つことと、悪人に罰を与えることくらいですね。
と言うことで、五老星の考察でした。
『キャラのモデル』シリーズ
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