この記事では
- 五大明王
- 不動明王は倶利伽羅竜王
について書いています。
五大明王
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『「明王」って何?』
数え切れないほど沢山いる仏教の中の仏様。
その中には”武闘派のオラオラ”タイプも居て、それが「明王」というようなイメージです。
この図は右上から時計回りに”金剛夜叉明王”・”降三世明王”・”軍荼利明王”・”大威徳明王”、そして中心が”不動明王”です。
※ちなみに弘法大師空海が彫ったとされる国宝・立体五大明王像は京都の東寺に行くと観られます。
では一人づつ解説していきます。
”降三世”引奈落
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『降三世明王』
”ごうざんぜ”と読むのが正しいようです。
イラストの右下、立体像はコチラ。
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イラストも立体像も よく見ると男女を踏みつけています。
これは ヒンドゥー教の最高神”シヴァ”と、その妻”パールヴァティー”です。
”降三世”とは、古代インドのサンスクリット語の”トライローキャ・ヴィジャヤ”が由来。
”三千世界の支配者シヴァを降伏させた者”の意味です。
つまり ”ヒンドゥー教の最高神を仏教に改宗させたので仏教が最強!”と主張をする役割の明王です。
※三千世界は宇宙を表す単位。三千世界 = 1個の銀河系 くらいのイメージ。
なのでこの時のゾロは「銀・河・系・!」と言いながら斬りかかっているに等しい。
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”金剛”鏑
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『金剛夜叉明王』
イラストの右上、立体像はコチラ。
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”金剛夜叉”は 古代インドのサンスクリット語の”ヴァジュラ・ヤクシャ”が由来。
ヴァジュラは雷を操る金剛杵という武器の名前です。
金剛に石が付くとダイヤモンドになりますね。
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つまり”ヴァジュラ・ヤクシャ”は ”どんな障害をも貫く恐ろしい力を持つ者”という意味です。
元々は人を襲っては喰らう魔神でしたが、仏教に帰依してからは悪人だけを喰うようになりました。
”軍荼利”龍盛軍
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『軍荼利明王』
イラストの左下、立体像はコチラ。
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軍荼利明王は ”甘露軍荼利菩薩”に対応する明王。
古代インドのサンスクリット語の”アムリタ・クンダリン”が由来。
アムリタは神と魔族が奪い合った不死の薬。
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クンダリンは人体に渦巻く神秘エネルギークンダリニーの意味。
よく見ると全ての手足に蛇が巻き付いています。
つまり チャクラ・念能力・覇気…
少年マンガに欠かせない”人間の神秘のエネルギーを象徴する存在”です。
”大威徳”雷鳴八卦
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『大威徳明王』
イラストの左上、立体像はコチラ。
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”大威徳”は 古代インドのサンスクリット語の”ヤマーンタカ”が由来。
ヤマとは死神ヤマ= 閻魔 = 冥界の王のこと。
つまり”閻魔大王をも降す者”の意味。
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「今までのパターンから 尻に敷かれてる水牛も敵対する宗教の偉い神かな?」と思ったあなた…
正解です。
ヒンドゥー教の王マヒシャの化身である凶暴な水牛も手懐けられてしまったので、仏教の明王最強です。
不動明王 = 火焔を纏う黒龍 = カイドウ
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五大明王を祀る真言宗の開祖”空海”は、中国の長安にある青龍寺で仏教を学びました。
明王と青龍。
こんなところにもカイドウの設定との共通点がありました。
尾田先生はどこまで計算してキャラの設定や技名を考えているんでしょうか…
倶利伽羅竜王
昇龍”火焔”八卦 = 不動明王
倶利伽羅竜王 = 不動明王
つまり”火焔大炬”で燃え盛る黒龍となったカイドウの姿は”不動明王”を表しています。
敵の拳(けん)を飲み込もうとする姿は”倶利伽羅竜王”そのもの
ということで 昇龍”火焔”八卦 = 不動明王 なんです。
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不動明王は
「明王の姿で剣を持つ」か「燃える龍の化身の姿で剣に巻きつく」か
どちらも不動明王を表す同じ意味になります。
不動明王の持つ剣は倶利伽羅剣といって 燃え盛る倶利伽羅竜王 が巻き付いた状態で描かれるのが一般的です。
※ちなみに画像の”倶利伽羅竜王”は天才浮世絵師「葛飾北斎」が描いたもの。
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