イム様は『虚空の玉座』に刺された19の王の武器を魔気(オーメン)で復活させる技を使います。
19の王の武器は800年前に世界を治めた力、世界を創造した武器であり、伝説の武器と言えます
その名前の由来やモデルを考察し、19種類の武器全てが揃うまで更新していきます
天罰剣(ネメシス)

ネメシスはギリシア神話に登場する、人間が神に無礼を働いた事への神の憤りと罰の擬人化した女神です
神への無礼に対する天罰…
天罰剣の当て字がピッタリですね

憤怒剣(グラム)

グラムは北欧神話に登場する剣のひとつで、その名は古ノルド語で怒りを意味します
ある結婚の饗宴にオーディンが現れ、リンゴの木に剣を突き立て「引き抜くことが出来た者に与える」と言うと、居合わせた者は順に試し、最後にシグムンドが抜いて自分のものとしました

オーディンの加護を受けたシグムンドは戦場で負け知らずの英雄となり、剣は後に息子のシグルズに受け継がれ、竜を退治する際に使われました。
ドラゴンの姿のロキと戦うにはピッタリな武器です
怨魔剣(スティグマ)

スティグマは古代ギリシャ語で、奴隷や犯罪者の身体に刻んだ「烙印」や「傷」を意味する言葉です
キリスト教の文脈では、キリストが十字架にかけられた際についた傷と同じものが聖人の身体に現れる現象を指し、日本語では「聖痕(せいこん)」と訳されています
イム様のスティグマはまず敵にオーメンの炎でマーキングし、それを目掛けて伸びることで必中効果があるようです
(ニカは避けましたけど)
虚無剣(ボーフー)

ボーフーとトーフーは、旧約聖書の創世記(1章2節)に登場するヘブライ語「トーフー・ヴァ・ボーフー(Tohu va-Vohu)」が由来ですね
創世記は、ゼロの状態から世界が出来るまでが書かれたもので
『まだ形になる前の世界には、秩序も何もなくて、ただ混沌と虚無だけが広がっていた』
『神は「光あれ」と言われた。すると光があった』
『神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕となり、また朝となった。第一日である』
みたいに、神が昼と夜すら作ったという句から始まります
…聖書って「誰が見たんだよ」ってツッコミ入れたくなる事ばっかり書いてあるんですよね
海神剣(フラガラッハ)

フラガラッハはケルト神話(アイルランド神話)に伝わる魔法の剣で、ゲール語で「回答者」や「報復するもの」を意味します

もともとは海の神マナナン・マク・リルが所有していて、後に光の神ルー(ルー・ラヴァーダ)に授けられました
突きつけられた者は嘘をつくことができず、問われたことに真実を答えざるを得なくなるとされています
この剣を使う時、イム様はルフィに「何本で息絶える?」と問うています
さて、ルフィが答える真実はどんな言葉でしょうね
刑天の斧(けいてんのおの)

刑天は炎帝の臣下で、黄帝と神の座を賭けて戦い、敗れて首を斬り落とされてもなお諦めず、乳房を目・へそを口に変え、干(かん。盾)と戚(せき。斧)を手にして闘志剥き出しの舞を続けたとされています
首を失っても諦めなかった戦士の斧で首を切り落とすというセリフは皮肉が効いていますね

ロンギヌス

ロンギヌスは新約聖書(ヨハネによる福音書)で、十字架上のキリストの脇腹を槍で突いたローマ兵の名前です
目が不自由だったロンギヌスは、飛び散ったキリストの血が目に触れて視力が回復するという奇跡を経験し、その場で改宗。後に「聖ロンギヌス」として祀られました
ロンギヌスの槍はキリストの「血と水」に直接触れた「聖遺物(レリック)」として伝わり、多くの作品で伝説の武器として登場します
村正(むらまさ)

村正は室町時代から江戸時代初期にかけて伊勢国桑名(現在の三重県)で活躍した刀工の一族、およびその一族が作った刀の総称です
切れ味に優れ三河の武士に広く使われていましたが、徳川家ゆかりの不幸な事件の現場に何度も登場したことで「妖刀」と恐れられるようになりました
骨喰藤四郎

骨喰藤四郎は源頼朝や足利将軍家、大友宗麟などの手を経て豊臣秀吉の所有となり、のちに豊臣家から徳川家へ渡った天下人の象徴とも言える刀です
骨喰(ほねばみ)の名前の由来は…
- 遊びで斬る真似をして振り下ろしただけで相手の骨を砕いてしまった
- これで斬られると骨にしみるように感じる
- 軽く振っただけで大根のように骨を切るので、骨を丸嚥みにするという意味
など、とにかく刀として非常に優れているという意味が込められています

刀身の表には倶利伽羅龍(倶利伽羅剣に絡みつく龍)、裏に不動明王像と梵字が彫られています。
イム様が使う刀に巻き付く蛇の形をしたオーメンは、実在の刀に彫られた倶利伽羅龍王だと思われます。
