この記事では
- ミヒャエル・エンデの影響を受けた尾田栄一郎
- 「モモ」という作品
- ビビとベポの名前のモデル
- ハートの海賊団結成秘話
- 金と時間と命と幸福の哲学
について書いています。
ミヒャエル・エンデ
ベポの船長・七武海となったトラファルガー・ローが登場する67巻
その表紙裏には”スヌーピー × ファルコン”のような生物が描かれていてました。
ファルコンは映画『ネバーエンディングストーリー』で登場するドラゴンです。
犬の顔をしたドラゴンって斬新ですよね。
映画の原作はミヒャエル・エンデの『はてしない物語』
このミヒャエル・エンデの思想は、尾田先生に強く影響を与えたんだろうなと感じた場面を紹介します。
モモ
「モモ」のあらすじ
町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。
出典:amazon.co.jp
町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。
そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。
「時間」とは何かを問う、エンデの名作。
「時間どろぼう」はビッグマムのモデル
「モモ」に登場する悪役は 人間を騙して寿命を奪いとる”死神”です。
”他の海賊に襲われない”という安心を担保に、住民から寿命を徴収するシステムのモデルでしょう。
ビビのモデルは”ビビガール”?
「モモ」には”ビビ”の名前も登場します。
死神の仕事の邪魔をするモモを手なづける為に”ビビガール”という着せ替え人形で誘惑しました。
リカちゃん人形のようなものです。
しかし「すぐに飽きるし、無限にオモチャを着せ替えても意味がない」と、誘惑に乗らなかったモモ。
実はコレ、ファッションにばかり気遣って中身を磨こうとしない現代人への皮肉でもありました。
ワンピースのビビとは関係ないエピソードですが、名前が一緒だったので紹介しておきました。
ベポのモデルは”ベッポじいさん”?
「モモ」には ベポの名前によく似た”ベッポじいさん”というキャラも登場します。
モモの友達で道路掃除が仕事。
ベッポじいさんは、「世の中の”不幸”は人が簡単に”ウソ”をつく事が原因だ」と考えているので、自分だけは”ウソ”をつかないようにとじっくり考えてから答える変な人です。
ハートの海賊団結成秘話
ベポについて調べていたら、ハートの海賊団結成秘話がわかったので紹介します。
・歳のはなれた兄を追って「ゾウ」を飛び出し”北の海”行きの船に乗ってしまったベポは、なんだかんだでスワロー島をさまよっていた。
歳のはなれた兄とはゼポのことでしょう。
・スワロー島の悪ガキ”シャチ”と”ペンギン”がベポを見つけていじめていたところをローが助けます。
このシーンはイヌとネコとおでんの出会いに似てますね。
ローの強さに魅了され、シャチ・ペンギン・ベポの3人に慕われてしまいハートの海賊団が結成されました。
このへんはフランキー一家の立ち上げと似ています。
尾田先生はこういうパターンが好きなんですね。
お金と寿命と時間と幸福を考える【哲学】
1年に2ヶ月分の寿命をビッグマムに支払っていたトットランドの住民達。
これって、高いの?安いの?
例えば 日本の成人の給料を月収30万円とします。
2ヶ月分の寿命を取られるということは、60万円です。
じゃあ実際に日本人はどれくらい払ってるのか?
月収30万円の人は厚生年金・社会保険料・所得税・住民税で1ヶ月に7万円くらい天引きされています。
×12ヶ月で年間に84万円も国に取られてるんですね。
そう考えるとトットランドの方がお得に感じます。
ペドロの寿命
27歳だったペドロはビッグマムに50年分の寿命を奪われました。
それから5年後にルフィと出会います。
27 + 50 + 5 = 82
実質82歳だったペドロは初めから寿命を使い切るつもりだったのでしょう。
命懸け
ワンピース考察には哲学の知識も必要です。
- 寿命は人間1人が使える時間の全て
- つまり命は時間
- 命は他人に奪われる可能性があるので安全確保が必要
- 安全を買うにはお金がかかる
- お金を稼ぐには知識と体力と時間が必要
- 時間を上手に使えば高度な知識を身に付けられる
- 高度な知識があれば少ない時間と体力で効率良くお金が稼げる
- お金があれば安全で便利な暮らしができる
- 安全が確保できれば好きな事に時間が使える
- さて、何をしようか。
- そうだ、冒険に出よう!
と言うことで、冒険とは成功者の最後の娯楽であり、何も持たない者でも挑むことができる最高の娯楽になるわけです。
『キャラのモデル』シリーズ
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