神の天敵【悪魔系】
ワンピースの作中では”D”の一族が神の天敵とされていますが、いまだに”D”の正体は謎のままです。
じゃあ一般的に”神の敵”とされる名前がどんなものかと調べてみたら、面白いことがわかりました。
サタン
”悪魔の王”として知られるサタンですが、その語源は古代ヘブライ語のサーターンで、「敵対者」「妨げる者」「誹謗する者」「訴える者」を意味する言葉でした。
聖書の中で「神の邪魔をする者」として頻繁に登場したことで
サタン = 神の敵 = 悪魔のイメージが定着したようです。
ルフィの仲間であるブルックにサタンのイメージが付けられました。
確かに「悪魔の王」っぽいです。
イフリート
RPGに登場する”炎の召喚獣”のイメージが強いイフリートですが、イスラム教バージョンの”悪魔の王”なのでサタンと同格です。
元ネタはイスラム教版の聖書クルアーンに出てくる魔人イブリース。
「地獄の業火によって焼かれるまで地上の人々を惑わせてやろう」
という台詞が有名で、ここから”地獄の業火を操る”イメージが付いたようです。
ルフィの仲間であるサンジの技にイフリートの名前が付けられました。
ちなみにディアブロはスペイン語で悪魔なので、ディアブルジャンブよりも悪魔の王であるイフリートジャンブの方が格上です。
※ジャン「プ」と誤解している人が多いですが、フランス語で「脚」の意味のジャン「ブ」です。
悪魔
デモニオを日本語に翻訳すると”鬼”や”悪霊”や”悪魔”など、悪しきものの総称になります。
ただ「悪魔咲き」の字が当てられていますし、もともと”悪魔の子”と呼ばれていたロビンが成長して”悪魔”そのものになったと考えて良いでしょう。
自称”悪魔”のロビンもルフィの仲間です。
ガープ
ガープも有名な悪魔の名前でした。
ソロモンの悪魔というのを聞いたことがありませんか?
古代イスラエルの王、ソロモンの使役する72の悪魔のことで、33番目の悪魔がGaapという名前でした。
悪魔と同じ名前の人物がルフィの祖父です。
ソロモン72柱のマークはワンピースの海賊旗のヒントになっていると思います。
【番外編】悪魔の手下・タコ
タコは別名:デビルフィッシュ。
悪魔の魚です。
ワンピースに登場するタコのほとんどがルフィを助けてくれます。
上の画像は空島からの落下する時に役立ったタコバルーン。
下はシャボンディ諸島でレイリーを紹介してくれたはっちゃん。
海底でルフィのペットになり、しらほしを守る役目を果たしたスルメに…
ワノ国に入国する為に必要な鯉を呼んでくれたタコの三助。
デビルフィッシュで悪魔だから、自称”神”の天竜人に敵対する麦わらの一味を助けてくれるんでしょうね。
悪魔の化身【ドラゴン系】
「この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経た蛇は…」と書かれています。
つまり、ドラゴン = 悪魔 = サタン = 蛇 =神の敵です。
サタン、悪魔と同じ意味の名前を持つキャラがルフィの父親です。
※ゾロの直感が的中したことになります。
※ちなみに『ヨハネの黙示録』で、ドラゴンは大天使ミカエルに退治されています。
大天使ミカエルは「熾天使」(セラフィム)に位置づけられた天使です。
ドラゴンはセラフィムに倒される?
ドレーク
現代の諸言語における「西洋のドラゴン」を指す語のうちの “dragon” と “drake” の系統に属する語の全ては、古代ギリシア語で「大蛇」「巨大な海の怪魚」などの意味をもつ δράκων(ラテン翻字:drákōn)に由来する。
Wikipediaより引用
「ドラゴン」と「ドレーク」はどちらも古代ギリシャ語の「大蛇」「巨大な海の怪魚」を意味する言葉が由来。
つまりドレークもサタンの化身。神の天敵。
ドラゴンと同じ意味の名前を持つキャラがルフィに加勢し、自称”神”天竜人直属のCP0と敵対。
ドラキュラ
ジュラキュール・ミホークの名前を英語にすると
DRACULE .MIHAWK
西洋の棺桶の形の船に乗り、シッケアール王国跡地の古城を拠点にして、好物はワイン。
この事からミホークはドラキュラをイメージしていると分かります。
ドラキュラを英語で書くとDRACULA
DRACULE .MIHAWKと
DRACULA です。
神の天敵を意味する”竜”
その息子の意味を持つドラキュラをイメージしたキャラが、ルフィの相棒ゾロを鍛えた師匠です。
つまり、神の天敵がルフィの味方をしたと言えます。
翻訳による変化
聖書はもともと古代ヘブライ語で書かれていたものがギリシャ語に翻訳されて広まりました。
古代ヘブライ語で「敵対者」「妨げる者」「誹謗する者」「訴える者」を意味する言葉だったサーターンは、神の天敵という意味に変わり、サタン、つまり悪魔の王に変化して行きました。
他にも翻訳の過程でドラゴンにひとまとめされてしまった言葉がありました。
「リヴヤーターン」と「タンニーン」です。
ギリシア語訳旧約聖書である『七十人訳聖書』では、ヘブライ語のリヴヤーターンやタンニーン(英語版)がドラコーンと翻訳されている。
タンニーンは大きな海の怪獣を指す言葉で、この語は場合によってワニ、クジラ、蛇と解される。
Wikipediaより引用
渦巻を起こす海の怪物「リヴヤーターン」
「リヴヤーターン」はつまり「リヴァイアサン」=渦巻を発生させる海の怪物です。
古代ヘブライ語からギリシャ語に翻訳する過程で「海の怪物→巨大な海ヘビ→ヘビ→ドラゴンでいんじゃね?」となったようです。
尾田先生もきっとこのテキトーな翻訳を許せず、古代ヘブライ語の原本に忠実に描き分けていると思います。
で、リヴヤーターンを”海王類”として描いているんじゃないかな。
これも間接的にルフィの味方です。
※ちなみに海の聖獣「リヴヤーターン」と対になるのが陸の聖獣「ベヒモス」です。
イスラム教ではバハムートと呼ばれています。
ロジャーの船の巨大な卵が、バハムートの卵だとしたら旧約聖書繋がりでキレイに収まるなぁ。
大きな海の怪獣「タンニーン」
「リヴヤーターン」と一緒くたにされてドラゴンに翻訳された「タンニーン」も、海の怪物を指す事で、特に「ワニ」「クジラ」「蛇」の意味を持っていた。
ワニ
ワニといえばクロコダイル。
インペルダウンから頂上戦争にかけてルフィに味方した。
クジラ
ラブーンと同じアイランドクジラ
魚人島から浮上する途中、ホワイトストロームの飲み込まれかけたところをクジラの群れに助けられる。
蛇
空島のウワバミ
寝ぼけたウワバミがジャイアントジャックに体当たりした事で蔦が傾き、エネルにトドメを刺すことができた。
九蛇の蛇姫
自称”神”の奴隷だったハンコック。
天竜人を殴り飛ばしたルフィを助ける。
そして自分もヘビになった神の天敵。
神を冒涜する者達
↑神を値踏みし、金よりも値打ちあるのか?と言い放つナミ
↓全知全能の神ゼウスを脅すナミ。
偽の神(アルコーン)
神の名を騙るウソップ。
神への冒涜、重罪です。
アルコーンとは、グノーシス主義における低位な神的存在の名称であり、「偽の神」のことである。
Wikipediaより引用
神を信じない者
そもそも神を信じていないゾロ。
技名からわかる通り仏教徒なので、手を合わせるのは仏様に対してで、祈りではなくお参りです。
神をぶっ飛ばす者
自称”神”をことごとくぶっ飛ばして来たルフィ。
それもそのはず。
ルフィ自身が太陽の神ニカでした。
誰一人救わない偽物の神は片っ端からぶっ飛ばす。
真の神だから?
神の敵はルフィの味方
ということで、聖書の中で神の敵とされる名前を持つキャラは全員ルフィの味方でした。
ちなみに日本神話で神の敵といえば”鬼”です。
鬼もきっと仲間になるでしょう
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